タイサンボク
2017.01.13(金)
サザンの”慕情”がとても好きだ。
ものすごく久しぶりに聴きたくなったのは、昨夜、兄と電話で話したからかも知れない。
不思議なものだなと思う。
この世に生まれてきたことも、この世があることも不思議だが、何故だか兄と呼ぶことになった関係。もちろんそれ以前に、父と母の存在があるのだが、なかなか血縁関係というのは、言葉にはしにくいものだ。
血の繋がりは、時にはまるで目には見えない鎖のように感じることもある。重かったり面倒だったりもするが、良きにつけ悪しきにつけ切っても切れないと思わせる不思議な力があったりもする。そのくせあるようで無いような、時にはその存在が感じられないほど透明感がありながら、存在を知らしめる強さがあったりもする。
人によって、身近に感じながら生きる人もいるだろうし、感じられないまま生きていく人、感じたくなくて遠ざけて生きる人もいるだろう。
幼い頃から兄と私はとても仲が良かった。
私は両親からの愛情を感じることが出来ない代わりに、兄を慕うようになった気がする。
「尊敬する人は?っていう質問に、わたしいつも、『兄』って書いてたんやで。」
「嘘つけー。」
笑って否定した兄。
お互いの子どもたちの成長を話しながら、お互いに年をとったと笑い合った。
どうにもならないことも、生きていればいろいろ出てくるものだが、そんなことも含めて、それでいいんだと思わせてくれたのは、夫の他にもう1人、兄がいたことを思い出した夜だった。