バイカカラマツ
2017.01.17(火)
ここ数日、日本列島は寒波の影響を受け、各地で雪が降り積もっているようだ。今ではテレビの天気予報だけでなく、知り合いが例えばFBなど写真付きで紹介していると、とても身近に感じられる。
京都に住んでいた頃は、薄っすらと積もった雪景色がせいぜいで、何センチか積もると、とてもたくさん降った感じがしたものだった。自分がそこに住んでいて経験していると、”底冷え”の寒さまで思い出すことができる。
ところで雪と言えば懐かしい思い出がある。
幼い頃に父親の仕事の関係で、松江に住んでいた。初めて迎える冬だった。たった一晩で1.5メートルも積もるという記録的な大雪。まさにその年に私たち家族はたまたま住んでいた。地元の人も驚くような積もり方だったようだ。
あの日の朝の景色は忘れることが出来ない。
「雪が積もってるよ」
という、母の声に喜んで二階から階段を駆け下りた。玄関の前へ立つと外が白く輝いている。いつもと様子の違う玄関の戸を開けると、そこには雪の壁が出来ていた。目の前に軒先まできっちりと雪の壁があるのだ。
そのころの我が家は、主要道路から細い道を入った奥まったところにある一軒家だった。その為、誰も通らないので道路まで雪かきしなくては出られなくなってしまった。
当時小学三年生だった私には、雪かきをした記憶は全くない。ただ、休校になったその日、一日中雪で遊んだことだけが鮮明に思い出される。
豪雪地帯に住む人たちにすれば、当たり前の風景なんだろうが、私にはかけがえのない雪の思い出だ。雪に対して全くのド素人の私。きっと私の知らない常識という知恵が、雪に対してあるのだろう。テレビに映し出される、雪かきする高齢の方の姿を見ながら思った。