バラ・アウグスタ ルイーゼ
2016.12.02(金)
家の息子たちの話の時にも書いたが、息子たちに限らず、今どきの男子になればなるほど、食事を作ってもらって当たり前とは思わなくなっているようだ。
これは若い男の子たちだけではなく、年配の男性でも意外に料理好きだったりして、今や”男子厨房に入らず”という言葉は聞かなくなった気がする。
世間はどんどん女性とか男性とかに関係なく、出来る方が作るという方向に進んでいるのだろうか。これからの世の中は、そうやって協力し合って生活するのが、普通になるのかもしれない。
だが実は私自身が昔といえば昔風なのだ。
台所はやっぱり女の城のような気がする。そのように育ったから、今でもそう思ってしまうのかもしれない。疲れていたり忙しかったり、具合の悪い時には本気で、
「何か作ってくれたら助かるのにな…」
と、思ったことも何度かある。
だが、自分が台所に立てるうちは、やっぱり自分がお料理したい。そんな気持ちがあるのも確かだ。
「何が食べたい?」
なんて聞いてはいても、実際に作っている物は、自分が一番食べたいものだったりするから、考えてみれば、”食事を作る”ということの決定権があることは、私にとっては非常に便利だ。
ましてや、作った料理を
「美味しい。美味しい」
といって、食べてもらえることの満足感はたまらない。
だがもう一方で、毎日お料理することに多少飽きてきたという感じも、心のどこかに芽生えてきている。こんな気持ちがあることに、実は最近ふと気が付いた。
面白いものだなと思う。
自分の体力や気力が少しずつ衰え、いろんなことに力が抜けてきている自分を感じる。もしかしたら、台所の主導権を譲るようなことも想像できる年齢になったのかもしれない。
息子たちのお嫁さんと一緒にお料理する日が来るのだろうか。
それとも、夫にお料理を作ってもらうような日が来るのだろうか。
はたまた、包丁を握るのも辛いとか言いながらも、それでもお料理する自分がいるのだろうか。
どういう状況でも、食べることは楽しみに違いないし、いつまでもそうでありたいものだ。
この先どんな人生を送るのか、まだまだ楽しみでならない。