2016.11.23(水)
朝の冷たい空気の中を、わっさわっさと歩く。寒いのが嫌いな人には辛い季節だろうが、夏の最高気温が体温より高いのにも驚かなくなった昨今、暑いのが大の苦手の私には天国のような季節到来だ。
銀杏並木の中を進むと、黄金色に輝く道が私を迎える。誰にも出会わないのが、独り占め感を強めて嬉しい。空に響く鳥の声も、鳥好きにはたまらない。
耳からは今流行りのラッドの曲が心地よい。リズムに乗って軽く息が弾むくらいの速度を心がけ、小道を歩いていく。すると先の方に何やら地面にへばりついている。白と黒の模様の猫だ。見るからに何か獲物を狙っている姿勢だ。
「猫どうしの戦いか?」
と、そっと速度を落としながら近づいてみる。
何と相手はハクセキレイ。どこにでも見かける、あの長めの尻尾を上下に揺らして歩く、こちらも白と黒の模様の小鳥だ。じっと構える猫に対して、ハクセキレイはまるでちょっかいを出すかのように、うまく猫と距離を取りながら、ひらひらと舞うように飛んでいる。
その時、殆ど同時に私の存在に気づき、ハクセキレイは空へ、猫は木の陰へと一瞬で姿を消した。
朝の短いウォーキングの時間の、楽しい出来事だった。